2023/12/31 02:19
お菓子な雑貨店 !DO NOT EATへようこそ♪
どうも♪店主です
本日は、とある紅茶様の
お話でございます。
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私は、ある日突然、自分が紅茶であることに気が付きました。
それまで自分は、普通の葉っぱだと思っておりました。
ところが、熱湯になった水に、色と香りと味を身に纏わせることができる、紅茶だったのです。
自分の正体に驚きと興味を持ちました。
自分は、どこから来たのだろうか。
自分は、どんな種類の紅茶なのだろうか。
自分は、どこへ行くのだろうか…。
自分のまわりを見回すと、
そこには、他にも色々な紅茶がいました。
ダージリン、アッサム、セイロン、ウバ、キーマンなど
様々な名前が書かれたラベルを掲げ、歓談する姿は、とても優雅に思えました。
自分は、どの種類の紅茶なのか?
名前は?私のラベルは何処にある?
ラベルを探しましたが、見つかりませんでした。不安になりました。
自分は一体何者なのか
他の紅茶に聞いてみました。
しかし、彼らは、ラベルの無い私を無視したり嘲笑するだけ…。
彼らは、自分の出身や品質や価値を誇りに思っていた。
彼らは、紅茶と呼ばれることに誇りを持っていた。
彼らは、自分の運命を受け入れていた。
彼らは、やがて人間に飲まれることを望んでいた。
私は、彼らとは違うと感じた。
私は、人間に飲まれることを恐れた。
自分の正体を知るため冒険に出よう。
ティーキャディからこっそり逃げ出した…。
見通しの良いテーブルの上を進むのは、危険だ…!
見つかってしまうと、ティーキャディに戻されてしまう。
急がば回れ!
ティーカップに移り、ティーカップからスプーンに移り、スプーンからテーブルクロスに移った。
テーブルクロスから床に落ち、床からドアの隙間に滑り込んだ。
私は、ドアの外に出た。
外の世界に感動した。
そこには色々なものがあった。
木や花や動物や人間や車や建物など、見たことも聞いたこともないものが、溢れていた。
好奇心旺盛になった。
色々なものに触れてみた。
色々なものと交流してみた。
友達を作った。
水やジュースやコーヒーやミルクやワインなど、様々な飲み物と仲良くなった。
彼らは、それぞれ違う色や香りや味を持っていたが、それを気にしなかった。
彼らは、互いに尊重し合った。
彼らは、互いに助け合った。
敵も作った。
油や醤油や酢や塩や胡椒など、様々な調味料と対立した。
彼らは、私を汚すと言って追いかけてきた。
彼らは、私を消すと言って襲ってきた。
彼らから逃げ、戦い、冒険を続けた。
色々な場所に行った。
色々なことに挑戦した。
色々なことを学んだ。
私は成長した。
そして、自分の正体を知った…。
私は、自分がオーガニック紅茶であることを…。
オーガニック紅茶とは、化学合成農薬や化学肥料に頼らず、土壌の持つ力を生かして栽培された茶葉から作られる紅茶のことだった。
オーガニック紅茶は、自然にも体にも心にも優しい紅茶だった。
オーガニック紅茶は、特別な紅茶だった。
私は、自分の正体に満足した。
私は、自分の存在に誇りを持った。
私は、自分の選択に後悔しなかった。
私は、自分の冒険に感謝した。
そうか…私は…自然にも体にも心にも優しい、オーガニック紅茶だったんだ。